1964年
カネボウ香水 CORONATION BELL 30cc 3,000円(1964年)
2019年5月1日零時、令和への改元という歴史的瞬間を多くの人が祝福したと思います。そして、10月には天皇陛下の皇位継承を国の内外に示す「即位礼」が執り行われました。この「即位礼」は、諸外国では「戴冠式」にあたるもので、それは聖職者から公式に王冠を戴き王位就任を示す儀式として執り行われています。最近では、映画「アナと雪の女王」に、この戴冠式シーンがありましたね。
カネボウ化粧品は1964年に、「CORONATION BELL(戴冠式の鐘)」と名付けた香水を発売しました。ボトルのデザインは、戴冠式に鳴り響くベルを象ったもので、輝かしいゴールドで彩色されていました。その現品は、カネボウ化粧品教育センター(1976〜2013/横浜)で大切に保管されていましたが経年劣化が進み、中身の香水も残っていませんでした。
そこで、2019年10月の「即位礼」にちなみ、この外箱・ボトルを修復すると共に、香りも復刻することにしました。香りの復刻にあたっては、長年カネボウ化粧品で香料研究を続けてきた研究者が担当しました。この製品の香りの処方記録は残っていませんでしたが、その研究者は容器にあった残り香の「感覚的印象」と「成分機器分析」から「残り香の処方」をまず作成した後に、長期間の保存中に揮発してしまったと思われる香りを販売情報などから想像して「残り香」に足していく作業を行い、当時の香りを再現しました。
「CORONATION BELL(戴冠式の鐘)」の他にも1950年代前半から10年間、長辺2~4㎝ほどの個性あふれるかわいい香水、マスコット香水(各150円)が販売されていました。
高度経済成長に突き進む激動の社会の中で、日本女性たちも輝きを増しながら、いろいろな香りを楽しみはじめた様子がうかがえます。写真ギャラリーでご紹介していますのでぜひご覧ください。
本体
タグ
キャップ
天面
底面
外箱
外箱のラベル
1936年
事業によるサステナビリティへの貢献
~化粧品事業創成の思い~
1938年
化粧品とシルクの出会い
~カネボウ化粧品のモノづくり~
1956年
第一次南極観測隊の携行品
~隊員の皆さんのお肌を守る化粧~
1960年
機能性ファンデーションの開発
~歌舞伎界のスーパースターの熱意に応えて~
1962年
ビーチハウスで美容アドバイス
~東洋のマイアミで~
1964年
カネボウ香水 コロネーションベル
~戴冠式の鐘~
1968年
ソワンエステティック国産第1号機の開発
~エステティックの国内普及をめざして~
1969年
芸術と化粧品の融合
~新進気鋭の女流書家とのコラボ~
1970年
絵本画家 いわさきちひろの愛用品
~カネボウ ソワドレーヌ リップスティック ユリ~
1976年
人の成長を思う
~カネボウ化粧品中央教育センター~
1977年〜
日本の化粧文化の醸成
~シーズンキャンペーン~
1979年
ブランドプロモーションとパーパス・ドリブン・ブランディング
~女性を応援する取り組み~
1991年
LOHASなブランド
~カネボウ EC~