コミュニティ領域
皮膚障がいをお持ちの方へ向けた「美容ノウハウ」の開発

医療現場における、美容を通じたサステナビリティ活動

カネボウ化粧品が行っている美容活動をご紹介します。

形成外科の医師の指導のもと、医療の場において患者さんに行う美容施術を、カネボウ化粧品では、「メディカルソワンエステティック」(Medical Soin Esthetic)と称し、1966年より約半世紀にわたり研究とソワンエステティック施術による活動を継続してきました。
あざ・熱傷・外傷などの手術後の肌や外見上の悩みに対して、当社の美容スタッフが、スキンケアやメイクアップの美容施術とホームケアアドバイスを行い、患者さんに充実感や満足感をもって日常生活を送っていただく為のサポートに取り組んでいます。現在は、北里大学病院の形成外科外来において実施しています。

  • ※ソワンエステティックとは
    ソワンエステティックはフランスで生まれた言葉で、「ソワン(手入れ、心遣い)」と「エステティック」の両方の意味を含み、エステティックの実用的、機能的な施術面だけではなく、患者さんとのコミュニケーションを含めたスキンケアやメイクアップなどの施術です。

活動の一例

  • ※直近10年間(2007年4月~2018年3月まで)・・・593名

1.状態の確認とヒアリング

医師の診察や治療の後、肌測定を行い現在の肌状態を確認します。また、変化の様子や日常のお悩みなどを伺いながら施術とアドバイスの内容を組み立てます。医師に確認していただけるように記録しています。

2.スキンケア

医師の指導の下、診察・治療後の肌に対して行うスキンケアの施術です。
肌状態を見ながら、肌の洗浄やマッサージ、マスク、整肌などのスキンケアを行います。また、ご自身で行っていただけるお手入れ方法をお伝えし、肌状態を維持していただけるようアドバイスを行っています。
施術は顔に限らず手や足など身体のさまざまな部位で、スキンケア施術を行うことでQOLを向上させることを目標としています。

<施術の一例>
  1. 洗顔(クレンジング・ソープ)
    毛穴の汚れや古い角質を取り去り、肌を清潔な状態にします。
  2. マッサージ
    マッサージすることで血流を促進します。
    肌を湿潤させ、柔らかくします。
  3. マスク
    角層のすみずみまでうるおいを集中補給し、肌を柔らかく整えます。
  4. 整肌(化粧水、乳液など)
    化粧水や乳液などを使用して、肌の乾燥を防ぎ、うるおいを与えて肌を整えます。

3.メイクアップ

患者さんの状態、ご要望に応じて、メイクアップの施術も行っています。 メイクアップ施術の目的は、あざや色素沈着、瘢痕などを目立たなくするために、カバーメイクアップやポイントメイクアップを行い、外見上の不安による精神的な負担を軽減させることです。また紫外線や乾燥などから肌を保護するという役割も果たします。
肌に触れるブラシやスポンジなどはデリケートな素材を使用し、やさしく繊細なタッチのメイクアップ施術を心がけています。
さらに、個性や流行、季節に合わせたメイクアップの提案などを通じて、メイクアップをすることの楽しさもお伝えしています。

QOLの向上

  • ※QOL:Quality of Life(生活の質の向上)の略

患者さんへのアンケート結果より、以下のような感想が上がっています。

  • メイクアップでカバーすることで、外見に安心感が持てるようになった
  • 希望が持てるようになった
  • 明るくなったと言われる
  • 周囲の人にきれいになったと言われる

研究と活動の歴史

1966年に慶應義塾⼤学医学部形成外科の伊藤盈爾教授より、カネボウ化粧品美容研究所へ患者さんへのメイクアップ施術を依頼されたことがきっかけとなり、医療の場におけるソワンエステティック(スキンケア&メイクアップ)の技術開発と臨床研究がスタートしました。

1970年より慶應義塾⼤学医学部形成外科の協力により、銀座にて施術を開始し、翌年、メディカルソワンエステティックを望む患者さんへの施術と臨床データの集積を目的として、文京区湯島に形成リハビリセンターを開設しました。

1970年から、日本形成外科学会総会において伊藤教授・礒医師らにより臨床データに基づく研究成果の発表がなされ、1988年には、その集大成として、『新外科学体系』 形成外科Ⅳ(中⼭書店)に「形成外科のリハビリテーションとしてのメディカルソワンエステティック」が掲載されました。(執筆者:形成リハビリテーションセンター所長 磯良輔医師)

また、1980年代以降は、医療の場におけるソワンエステティック(スキンケア&メイクアップ)技術の必要性を普及啓蒙するため、日本エステティシャン協会やエステティック学術会議等を通じて、技術や活動の紹介にも努めてきました。