story61

これ、ホンマに自分?信じられへんわー!

ある夏の日、髪で顔を隠し、うつむき加減でお見えになったそのお客さまは、思いつめた表情で、「私のこの肌、どうにかしてください。目も眉もひどいことになってもうて・・・・・・」とお悩みを打ち明けてくださいました。
詳しく伺うと、目の下から頬までに大きなシミがあり、これまでどんなファンデーションを試しても気に入ったものがなかったとのこと。さらに、眉がいちばんのお悩みで、形が気に入らず自分でカットしたり抜いたりした結果、原型がなくなってひどいことになり、恥ずかしさのあまり髪で顔を隠しながら外を歩いている始末ということでした。
お客さまは、夏休みでご主人の実家の八戸にしばらく滞在されているそうで、私は、ぜひこの機会にこのカネボウコーナーでお客さまに自信を取り戻してご自宅の関西へお帰りいただきたいとお伝えしました。
早速、ベースづくりからアイメイク、そして眉とアドバイスを進めていきました。しばらくすると、少しずつお客さまから笑顔が咲きだし、私に話しかけられる声も明るくなっていきました。やがてメイクが仕上がると、鏡を見ながら、

これ、ホンマに自分? 信じられへんわー

と大変喜んでくださったのです。最初の思いつめた表情とはうって変わったご様子で、喜びと自信にあふれていらっしゃいました。
「おおきに! おおきに!」と何度も私に感謝の言葉をくださいました。

それから一年後。「こんにちは!お姉さん!また八戸に来たよ!」と、元気の良い関西弁が耳に飛び込んできました。私は瞬間に、あの時のお客さまだとわかりました。
「昨年、勇気を出してお姉さんに相談してホンマによかったわぁ。また八戸来たから寄らせてもらいましたわ」とおっしゃいました。一年ぶりに拝見したお客さまの笑顔はとても素敵で、私も本当に嬉しく思いました。ビューティカウンセラーという仕事に就いてよかったと心から思えた出来事でした。

語り手 K.N./BC(ビューティカウンセラー)
東北 BC歴31年