story33

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あなたが本気ですすめてくれたから

いつもベージュやブラウン系の落ち着いた色のアイシャドウをお買い求めいただいているお客さま。その日は、「子どもの入学式に出席するので新しいアイシャドウと口紅が欲しい」と、ご来店されました。私は晴れの日にふさわしいメイクをお客さまにご提案したいと思いました。

そしてすぐに、以前からお客さまにお似合いになると思っていたパステルカラーのメイクイメージが頭に浮かんできました。しかし、それはあまりにも普段のメイクとギャップのあるカラーリング。「お気に召さず、気分を害されるかもしれない」という不安を抱きつつも、「ぜひお客さまにいつもとは違うご自分の美しさの扉を開いてほしい」と、祈る気持ちでパステルグリーンのアイシャドウと明るめの口紅をおすすめしました。
お客さまは、商品をご覧に入れたときは戸惑われた表情でしたが、実際にそれをお顔にのせてみると、意外と悪くないというご様子に見えました。

私は、とてもお似合いになっていること、肌が明るく見えることなどを説明して、「大げさかもしれませんが、カネボウのビューティカウンセラーとしての私の感性を信じて、ぜひ入学式にはこのメイクでお出かけください!」と気持ちをお伝えしました。するとお客さまは、「そこまで言うなら、挑戦してみようかな」と、商品をお買い上げいただき、私がご提案したメイクで入学式に行ってくださることになったのです。

それから数日後、入学式を終えたお客さまがご来店くださいました。ドキドキしながら「いかがでしたか」とお尋ねすると、お客さまは、

「友達から大好評だったの!あなたが本気ですすめてくれたおかげよ」

と言ってくださるではありませんか。「あなたがあそこまで押してくれなかったら、きっといつも通りのメイクで入学式に行っていたわ。そしたらあんなに褒めてもらえることもなかった」と。
私は、天にも昇る心地でお客さまからのうれしい言葉をかみしめていました。

いつもと違うメイク提案をするのには、勇気が必要です。しかし、時にはそうすることも、お客さまへの寄り添い方のひとつだと思っています。これからも「お客さまの個性をよく理解して、より美しく輝いていただくためのご提案をしていきたい」と強く心に刻んだ出来事でした。

語り手 H.A./BC(ビューティカウンセラー)
百貨店所属 BC歴12年