カネボウ化粧品の歴史を一コマずつ切り取って
短い文と写真でご紹介します。
カネボウ香水 CORONATION BELL 30cc 3,000円(1964年)
本年5月1日零時、令和への改元という歴史的瞬間を多くの人が祝福したと思います。そして、10月には天皇陛下の皇位継承を国の内外に示す「即位礼」が執り行われます。この「即位礼」は、諸外国では「戴冠式」にあたるもので、それは聖職者から公式に王冠を戴き王位就任を示す儀式として執り行われています。最近では、映画「アナと雪の女王」に、この戴冠式シーンがありましたね。
カネボウ化粧品は今を遡ること55年前の1964年に、「CORONATION BELL(戴冠式の鐘)」と名付けた香水を発売しました。ボトルのデザインは、戴冠式に鳴り響くベルを象ったもので、輝かしいゴールドで彩色されていました。その現品は、カネボウ化粧品教育センター(1976〜2013/横浜)で大切に保管されていましたが経年劣化が進み、中身の香水も残っていませんでした。
そこで、本年10月の「即位礼」にちなみ、この外箱・ボトルを修復すると共に、香りも復刻することにしました。香りの復刻にあたっては、長年カネボウ化粧品で香料研究を続けてきた研究者が担当しました。この製品の香りの処方記録は残っていませんでしたが、その研究者は容器にあった残り香の「感覚的印象」と「成分機器分析」から「残り香の処方」をまず作成した後に、長期間の保存中に揮発してしまったと思われる香りを販売情報などから想像して「残り香」に足していく作業を行い、遥か55年前の香りを再現しました。
この「CORONATION BELL(戴冠式の鐘)」の修復に、令和が皆さんにとって素晴らしい時代になるようにとの願いを込め、このほど花王ミュージアム・カネボウゾーンで、そのボトルデザインや香りを楽しんでいただく特別展示を企画しました。
ぜひ、この機会にご来館いただき、「Kanebo CORONATION BELL」を皆さんの五感に響かせてください。
※お申込みの際には、「カネボウ コロネーションベル見学希望」とお申しつけください。
※詳しくは「花王ミュージアム見学申し込みページ」をご参照ください。
カネボウ香水コロネーションベルの特別展示と併せ「カネボウ マスコット香水」を展示しています。
このマスコット香水(各150円)は1950年代前半頃から約10年間販売されていた製品で、その容器は長辺2~4㎝ほどの個性あふれるかわいい香水たちです。
高度経済成長に突き進む激動の社会の中で、日本女性たちも輝きを増しながら、いろいろな香りを楽しみはじめた様子がうかがえます。
ぜひ、併せてご観覧ください。
第13回1938年
化粧品とシルクの出会い
~カネボウ化粧品のモノづくり~
第12回1976年
人の成長を思う
~カネボウ化粧品中央教育センター~
第11回1991年
LOHASなブランド
~カネボウ EC~
第10回1968年
ソワンエステティック国産第1号機の開発
~エステティックの国内普及をめざして~
第9回1956年
第一次南極観測隊の携行品
~隊員の皆さんのお肌を守る化粧~
第8回1970年
絵本画家 いわさきちひろの愛用品
~カネボウ ソワドレーヌ リップスティック ユリ~
第7回1979年
ブランドプロモーションとパーパス・ドリブン・ブランディング
~女性を応援する取り組み~
第6回1964年
カネボウ香水 コロネーションベル
~戴冠式の鐘~
第5回1962年
ビーチハウスで美容アドバイス
~東洋のマイアミで~
第4回1977年~
日本の化粧文化の醸成
~シーズンキャンペーン~
第3回1960年
機能性ファンデーションの開発
~歌舞伎界のスーパースターの熱意に応えて~
第2回1969年
芸術と化粧品の融合
~新進気鋭の女流書家とのコラボ~
第1回1936年
事業によるサステナビリティへの貢献
~化粧品事業創成の思い~